受験を考えているみなさんは、もうすでに何回か大手塾が実施している模試を受けたことがあると思います。
模試の結果を見て、偏差値や志望校判定などでお子さんと一喜一憂されていることでしょう。
ただ、模試を受験して結果を確認するだけでは、模試の30%しか活用していないことと同じです。
なぜなら、この段階でお子さんが得たことといえば、
・制限時間がある中で実践的に解いたという経験
・偏差値や志望校判定で実力を知ったうえでのやる気
しかありません。
もちろんこの2つはとても大切ですが、それだけでは有効に模試を活用したとはいえません。
では何が必要なのか?
模試の効果の残りの70%は「やり直しをきちんとする」ということです。
きちんと復習することで、以前は解けなかった問題を解けるようになれば、お子さんは今までできなかった苦手を1つ克服することになります。
ここで注意すべきなのは、”きちんと”ということです。
やり直しが重要だということは、多くの方が聞いたことがあると思います。
実際に毎回模試の後には、やり直しをしているお子さんも多くいらっしゃるはずです。
しかし、”きちんと”できているお子さんはほんのわずかです。
では、”きちんと”とはどういうことなのでしょうか。
例えば、模試の復習が「間違えた問題の模範解答を読んで終わり」になっていませんか?
「読むだけ」では苦手が改善されることはありません。
その時は理解したつもりでも、次に同じような問題に出会った時に解けないことがほとんどです。
これから、実力をしっかり付けるために、やり直しの進め方をお伝えします。
<模試の復習の手順>
1.間違えた問題を解き直す
2.解けた問題は、なぜ模試本番の時に解けなかったのかふりかえる
(計算ミスなのか、時間が足りなかったのかなど)
3.解けなかった問題は、模範解答を参考に解き方を理解する
4.少し時間を空けて、解けなかった問題を模範解答を見ずに自力で解き直す
5.模試本番で解けた問題でも、解き方が曖昧だったり、もっと簡単な解き方があったりしないか確認する
6.できなかった問題の類題を探して解く
7.以上のステップをふまえて、今後の勉強の方針を考える
(計算ミスが多かった方は、毎日簡単な計算問題を解く週間をつけるなど)
「え?一回の模試でここまで復習するの?」と驚かれる方もいらっしゃると思います。
しかし、このぐらい練習しなければ、しっかりした実力をつけることはできません。
このように、もしのやり直しを”きちんと”するかしないかで、お子さんが得るものは全く違います。
模試を受けたことでせっかく出会った自分の苦手をそのままにせず、ちゃんと克服することこそが模試の醍醐味なのです。
みなさんもさらっと結果を確認するだけでなく、お子さんを伸ばす大きなチャンスだと思って、丁寧にやり直しに取り組んでみましょう。