もっとも違う点は、学費とカリキュラムです。
【学費】
私立の場合、中学の義務教育の時点で授業料が必要です。全国平均で、41万ほどになります。都内だともう少し高くなる傾向があります。授業料に加え制服代や教材費などの諸経費を含めると年額95万円にも上ります。高校生にあたる後期の3年間は、授業料が1年間に34万円、学校教育費は年額76万円になります。
公立の場合、中学3年間は義務教育なので、前期にあたる中学生の間は、授業料はかかりません。ただし、制服代や修学旅行の積立などの諸費用を含めた金額は年額で13万程度です。このことから、前期の教育費は私立と比べると格段に安く、年額80万円ほどの差になります。また、後期の3年間にかかる授業料は、公立の高校とほぼ同額で年額11万円程度です。学校教育費は年額34万円で、私立との差は年間40万円ほどになります。
【カリキュラム】
私立の場合、中高一貫校としての伝統をすでに確立している私立は、6年を通して生徒を育くむノウハウを豊富に持っています。また、多くは難関大学への進学を前提に授業を進めています。そのために中学2年か3年の早い時期で、公立中学3年間の学習内容を終了させるような密度の高い授業内容「先取り学習」を盛んに行っています。
公立の場合、初期は、じっくり6年間かけて育成しようとする「ゆとり教育」の考えがありました。これは公立の制度上、高校の学習内容を中学校で学ぶことが出来なかったという背景があります。しかし、2004年以降制度変更により、中学生も高校の授業内容を学ぶことが出来ることになりました。昨年2011年に「白鴎ショック」という名で教育業界を賑わした「国公立大学進学率向上と、高い現役進学率の達成」を目指す東京都立白鴎高校附属中学校(2005年開校)などがその好例と言えます。