区立富士中 入試問題傾向 2009年|都立中学-com

区立富士中
【入試問題傾向】
2009年
適性検査Ⅰ(45分)

題材 「14歳からの仕事」玄田有史著より

作文をメインテーマとする適性検査です。
本文は約2000字で、中学生に語りかける調子のわかりやすい文体です。
筆者の主張に歩調を合わせてしっかりと読み取る必要があります。

1は本文の要旨をまとめる問題です。
問題文でその方向性を指定してくれている分、答えやすくはなっていますが、本格的な記
述問題です。

2は作文問題。本文に挙げられた「頑張る」「忙しい」「普通」のほかに、「状況によ
っては使わない方がいい言葉」を自分で探し、その理由を450-500字でまとめさせます。
論理展開そのものは本文の形を使うことが出来ますが、ことばを思いつくかどうかは、本
人の言語生活や感性にかかわっており、なかなか厳しい問題です。

全体として、このレベルの問題が出るとしたら、かなりの国語力を要すると言えるでし
ょう。

 

 

適性検査Ⅱ(45分)

数年間重ねられてきた適性検査の中から、同校がポイントと考えるタイプのものを厳選し
てきたように見受けられます。
そのため個々の問題に対して過去問の類題を見つけることが出来ます。
難問も含まれますが、準備学習はしやすい面もあります。

1 当初よく出た「状況把握-行動決定型」の問題です。
4つの選択肢の中で一つは×、もう一つもほぼ×と常識判断を加えた上で、自分が選ぶ理由
を説明させる2段構えで、工夫ある出題です。
類題で演習しておけばそれほど苦労することはないでしょう。

2、3 図表処理問題です。
このところよく出題される、初見のグラフを文章による説明で理解出来るかどうかを試す
タイプで、これは子どもたちにとって難問です。
対策としては、まずベースとして、通常の表やグラフの処理問題に十分慣れるようにしま
しょう。
また、日常の理社学習で教科書等に記載されている多彩なグラフを積極的に見るように
し、新しいものをすばやく読み取る力を磨いておくことが有効です。

4 社会(日本史)の知識問題です。
「室町文化と言えば」というお題で知識をストレートに問われます。
特定項目にしぼってはいないものの、解答するには一定の学力が必要です。

こういう問題が出ると承知して社会の基礎学力を身につけておけば、確実に得点出来そう
です。

5、6 理科実験と科学的思考がテーマです。
テーマに沿った実験のしかたを説明する5は、「調べたい項目について条件を変える」
「それ以外の条件を同じにする」という2つのポイントを押さえる必要があり、実験の基
本を理解していなければ答えられません。
6の科学的思考問題もハイレベルです。小石川や武蔵、九段などの過去問でその辺りのセ
ンスを磨いておく必要があります。

7 日常的計算がテーマです。
確実に正解出来る問題の一つです。
条件把握でミスをしないこと、時間をかけすぎないこと。この2点がすべてです。

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