解いておくべき入試過去問

こんにちは、二階堂です。
今回は、平成22年度の都立武蔵中の適性検査Ⅲをオススメします。

この(問題)セットは、かなり難易度と高い問題で、合格者でも高得点が難しいのでは?と思わせるものです。

各設問ごとにポイントと、何を練習すべきなのかをお話をしましょう。

大問1.
[問題1] 問題文から、実験に使える時間を求めます。実験に使える時間は、30分以下です。この実験の中で「1時間で何分ずれるのか」を見つける必要があります。

身近な例?としては、保健体育の授業で習う脈拍の測り方です。
脈拍は1分間の拍動の回数を数えますが、測定する時は10秒間の回数を数え、それを6倍します。
(15秒間の回数を数え、4倍する方法もあるそうです)

これより、5分間、10分間、15分間など整数倍すれば60分になる時間の中で、時間が何分ずれるのかを計算すればよいということになります。

ただ、これはこれで指導が難しいこともあります。

まず、あまりに短時間の時間では、2つの時計の時間のズレを正確に測ることは難しいということ。(60分で30秒のズレも、5分だと2.5秒のズレとなり測定することが難しい)

また、他の年度・他の学校の問題では、実験の回数を多くして平均値をとり誤差を少なくする、という解答が求められています。だから、そういう問題を経験している生徒から質問が出るんですよね。「先生、実験は1回でいいんですか?」と。回答に困っています・・・。

[問題2] 一言で言えば、(最小)公倍数の問題です。でも、都立中の受験生にとっては、かなりやっかいな問題でした。

そもそも、この問題の「同じ時刻を示す」ということがどういうこと、すぐには理解できないようでした。(生徒達はランキング上位の生徒です)

アナログ式の時計ですから、「同じ時刻」と言っても、2つの時計の差が12時間になった時です。すなわち、

一方が午前6時を指しているとき、もう一方は午後6時を指す。こんなイメージです。

しかし、ここからが難しい。

それぞれ、時間のずれ方を比を用いて考えることが効率的なのですが、まずこれができない。
比例式を書けても、そのズレを「同じ時刻を指す」ということとどう関連づけをすればよいのか分からない。

解く手順を見ていると「この子達は、問題集の解法パターン以外に対応する力が弱い」ということです。
少し図を書き出してみる、表を作ってみる・・・。こういうことをするクセが身についていれば、解くことはできます。

そういう意味でも、思考力・計算力を上げる問題になります。練習する時は、

①試験本番で選択すべきもの(短時間で計算できるもの)を選択する
②他の組み合わせで計算を徹底的に行う
これだけでも、かなりの練習になります。なにしろ、本番の入試で出た問題です。

すでに、学校の過去問アーカイブからは削除されているようです。
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[問題3] 問題2とほぼ同じコンセプトの問題です。そして、問題2よりも簡単。時間配分が重要になってきます。
ただ、答え自体は合っていても、説明に矛盾があっては減点されます。その点は注意する必要があります。

 

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